オンプレミスとクラウドの違い|比較表でわかるメリット・デメリットと向いている企業

サーバーの老朽化や保守期限を前に、情報システム担当者や経営層が最初に迷うのが、オンプレミスのまま使い続けるか、クラウドへ移すかという判断です。クラウドの利用が広がる今でも、扱うデータや社内の体制によっては、オンプレミスが適している場合があります。
本記事では、オンプレミスとクラウドの違いを7つの観点で比較したうえで、メリット・デメリット、費用と安全性を比べる際の注意点、自社に合う形態の判断基準、併用の考え方までを解説します。
本記事のサマリ
-
オンプレミスとクラウドの違いは、IT機器を自社で保有・運用するか、事業者の資源をサービスとして利用するかにある
-
費用は利用期間の総額で、安全性は運用体制で比べる必要があり、どちらが合うかは扱うデータや既存システム、社内の体制で決まる
-
すべてを一度に移せない場合はハイブリッドが選択肢になり、日々扱うファイルデータはNASとクラウドの併用から始めやすい
オンプレミスとクラウドの違い
オンプレミスとクラウドの最も大きな違いは、サーバーなどのIT機器を自社で持つか、事業者の機器をサービスとして借りるかにあります。総務省の令和7年通信利用動向調査によると、クラウドサービスを一部でも使う企業は83.5%、全社的に使う企業は60.0%で、増加が続いています。
調査対象は常用雇用者100人以上の企業です。ただし、機密性の高いデータを扱うシステムなどでは今もオンプレミスが選ばれており、自社に合う形態を見極めなければなりません。
参照元:総務省|令和7年通信利用動向調査 ポイント(別紙1)(PDF)
オンプレミスは自社で保有・運用する形態
サーバーやネットワーク機器、ソフトウェアを自社で保有し、構築から運用、保守までを自社で担う形態がオンプレミスです。英語の「on-premises」に由来し、「オンプレ」と略されます。以前はシステムを自社で構築するのが一般的で、クラウドの普及後に両者を区別する呼び名として広まりました。
設置場所は社内のサーバールームに限りません。サーバー用の専用施設であるデータセンターの一角を借りて、自社の機器を置くハウジングもあります。いずれの場合も、機器を自社で保有・管理する点は共通しています。
クラウドは事業者の資源を利用する形態
クラウドでは、事業者が用意したサーバーやソフトウェアをインターネット経由で利用し、契約や利用量に応じて料金を支払います。提供範囲により3種類に分かれます。メールやグループウェアのように、完成したアプリケーションを使う形がSoftware as a Service(SaaS)です。
Platform as a Service(PaaS)はアプリケーションの開発・実行基盤を、Infrastructure as a Service(IaaS)は物理サーバーを論理的に分けた仮想サーバーなどを提供します。機器の調達や保守は事業者が担い、利用企業はインターネット環境があれば社内外から使えます。
7つの観点で比べた違い
初期費用から障害・災害時の対応まで、7つの観点でオンプレミスとクラウドを比べると下の表のとおりです。表には優劣の評価を入れず、各形態で何が発生し、誰が負担・対応するかだけを並べました。各観点が業務に与える影響は次章で扱います。
| 観点 | オンプレミス | クラウド |
| 初期費用 | サーバー・ネットワーク機器・ソフトウェアの購入費や構築費が導入時に発生する | 機器の購入が不要で、初期費用は設定費などに限られることが多い |
| 運用費用 | 保守費・電気代・設置スペース・運用担当者の人件費・機器の更新費を自社で負担する | 月額・年額の利用料が継続的に発生し、利用量に応じて変動する場合がある |
| 導入までの期間 | 機器の選定・調達から構築・テストまでを自社で行う | 契約後、事業者が用意した環境を使い始められる |
| 拡張性 | 容量や性能を増やすには機器の増設や交換が必要になる | 管理画面の操作や契約の変更でリソースを増減できる |
| カスタマイズ性 | 機器構成や既存システムとの連携を自社の要件に合わせて設計できる | 事業者が提供する機能・設定の範囲内で利用する |
| セキュリティ管理 | 対策の設計から運用までを自社のポリシーで行い、責任も自社が負う | 基盤は事業者が管理し、アカウントやデータの設定・管理は利用企業が担う |
| 障害・災害時の対応 | 機器の故障や被災時の復旧を自社で行う | 基盤の障害は事業者が対応し、利用企業は復旧を待つ |
表のセキュリティ管理の行は、総務省が2022年10月の「クラウドサービス利用・提供における適切な設定のためのガイドライン」で示した責任共有モデルに沿っています。事業者と利用者が責任を分け合う考え方で、クラウドでもアカウントや業務データの設定は利用企業の責任です。
オンプレミスとクラウドのメリット・デメリット
前章の表で並べた違いは、IT機器を自社で持つか、事業者に任せるかという構造から生まれます。自社で持てば設計や管理を自由に決められる一方で、費用と手間も自社で引き受けることになります。
事業者に任せれば負担は軽くなるものの、仕様や運用の一部は事業者の判断に委ねられます。メリットとデメリットは表裏の関係にあり、同じ特徴でも自社の要件によって評価が変わります。
オンプレミスのメリット
機器の構成を自社で選べるため、基幹システムや業務フローとの連携を自社の要件に合わせて設計できます。たとえば、長年使ってきた独自の受発注システムがあっても、その仕様に合わせて新しい仕組みを組めます。メンテナンスや更新の時期も、事業者の都合に左右されません。
決算期などの繁忙期を避け、自社の業務に合わせて日程を決められます。社内ネットワークだけで閉じた構成にできる点も、オンプレミスの強みです。外部との接点を限れるうえ、自社のセキュリティポリシーをそのまま適用しやすくなります。
オンプレミスのデメリット
導入時は、サーバーなどの購入と構築に費用がかかります。機器の選定から稼働までに、数週間から数か月を要することも珍しくありません。稼働後も、保守や障害対応、ソフトウェアの更新、機器の入れ替えは自社の仕事です。専門知識を持つ人材が社内にいなければ、外部の技術者を確保する必要があります。
社外や拠点から利用するには仮想専用線(VPN)などの整備が欠かせず、テレワークへの対応にも手間がかかります。社屋の被災や機器の故障は業務停止に直結するため、遠隔地へのバックアップといった追加の備えも必要になります。
クラウドのメリット
サーバーを買わずに済むため初期費用を抑えられ、契約後は短期間で使い始められます。基盤の保守や障害対応は事業者に任せられるので、情報システム部門は社内システムの改善など本来の仕事に時間を回せます。利用者が増えたときや事業を縮小したときも、管理画面からリソースを増減できます。
インターネット経由で社外や拠点から同じ環境を使えるため、テレワークや拠点間の情報共有を進めやすくなります。出張先や自宅からでも、社内と同じファイルを開いて作業を続けられます。
クラウドのデメリット
カスタマイズできる範囲は事業者が提供する機能に限られ、独自仕様で作り込んだ既存システムとは連携できない場合があります。利用料は契約を続ける限り毎月や毎年発生し、利用量や利用者数に応じて課金される料金体系では、事業の拡大とともに費用も膨らみます。
業務がインターネット回線の品質に左右される点にも注意が必要です。事業者側で障害やメンテナンスが起きた際、利用企業は自社で直すことができず、復旧を待つほかありません。
「どちらが安い・安全か」を比べるときの注意点
オンプレミスとクラウドを比べる場面では、「どちらが安いか」「どちらが安全か」がよく問われます。ただ、どちらの答えも利用期間や利用者数、運用体制といった条件で変わります。初期費用の安さだけでクラウドを選べば、数年後に利用料の累計がふくらむおそれがあります。「社内にあるから安全」と考えて対策を後回しにすると、オンプレミスでも事故は起こり得ます。
費用は利用期間の総額で比べる
初期費用だけを比べるとクラウドが安く見えますが、利用者数と年数によっては総額が逆転します。利用者課金のクラウドは人数と年数に比例して費用が増え、オンプレミスは5年後などの機器更改でまとまった費用が発生します。比較は、更改時期をまたぐ期間全体の費用である総所有コスト(TCO)で行います。
オンプレミス側には機器購入費、保守費、電気代、設置スペース、運用人件費、更改費を、クラウド側には利用料、回線費、移行費を含めます。会計上も、機器は減価償却の対象となる資産、クラウドの利用料は経費として扱われます。
たとえば、ファイルサーバーを利用者課金型のクラウドと比べる場合を、次の仮定で試算します。オンプレミスは機器購入・構築費250万円を5年ごとに計上し、保守費・電気代などを年40万円、運用人件費(担当者の工数を金額に換算)を年60万円とします。構成は利用者数にかかわらず同じとします。クラウドは1人あたり月額1,500円、移行費は初年度に30万円とします。回線費は両方にかかるため除いています。
| 試算条件 | オンプレミスの総額 | クラウド(利用者課金型)の総額 | 安くなる形態 |
| 50人・5年 | 750万円 | 480万円 | クラウド |
| 100人・5年 | 750万円 | 930万円 | オンプレミス |
| 50人・10年 | 1,500万円 | 930万円 | クラウド |
| 100人・10年 | 1,500万円 | 1,830万円 | オンプレミス |
この仮定では、5年でも10年でも利用者がおよそ80人を超えるとオンプレミスの総額が下回り、逆転の分かれ目は年数よりも利用者数で決まります。金額は説明用の仮定値で、実際の費用は製品や構成、契約内容によって異なります。自社の見積もりを同じ表に当てはめれば、どちらが有利かの目安をつかめます。容量に応じて課金されるサービスの場合は、利用者数ではなくデータ量の増え方で試算してください。
オンプレミスなら安全とは限らない
「社内なら安全、外部は危ない」という二分論は成り立たず、安全性は運用体制で決まります。オンプレミスでは、脆弱性(システムの欠陥)の対策、アクセス管理、バックアップまでを自社で担います。対応が遅れれば、社内のサーバーも狙われます。
クラウドでも、前章で触れた責任共有モデルのとおり、アカウントやアクセス権、業務データの設定は利用企業の責任です。総務省のガイドラインも、設定ミスで個人情報が流出しかねない事案の増加を指摘しています。退職者IDの失効や操作ログの確認など、自社の管理が安全性を左右します。
参照元:総務省|クラウドサービス利用・提供における適切な設定のためのガイドライン(PDF)
クラウドにも停止リスクは残る
クラウドの事業者は、予備の設備を用意する冗長化やデータセンターの分散によって、必要なときに使える状態を保っています。それでも、事業者側で大規模な障害が起きた場合や、自社のインターネット回線が止まった場合は利用できません。
オンプレミスも機器の故障や社屋の被災で業務が止まるため、どちらを選んでもバックアップや代替手段を含めた事業継続の備えを整えておく必要があります。クラウドを選ぶ際は、サービス品質保証(SLA)で示される稼働率、障害時の情報開示の方針、データの保管場所を事前に確かめておくべきです。
オンプレミスとクラウドどちらを選ぶべきか
オンプレミスとクラウドのどちらが優れているかは、一律には決まりません。向き不向きを左右するのは、扱うデータの性質、既存システムとの関係、運用を担う社内の体制、使い続ける期間といった条件です。
条件はシステムやデータごとに異なるため、全社で一方に寄せる必要はありません。人事評価のデータは社内のサーバーに置き、部署間の会議資料はクラウドで共有するといった使い分けも成り立ちます。
オンプレミスが向いている企業
業界の規制やコンプライアンス要件により、データを社外に置けない企業ではオンプレミスが選ばれています。機器もデータも社内にあれば、保管場所や管理方法を自社で説明しやすいからです。独自に開発した基幹システムを持つ企業にも向いています。
一般的なクラウドサービスとは連携できない場合でも、オンプレミスなら既存システムの仕様に合わせて仕組みを作り込めます。運用を担う情報システム部門の人材がいて、同じ規模・構成で長く使う見込みがある企業なら、毎月の費用がほぼ一定になり、予算も立てやすくなります。
クラウドが向いている企業
初期投資を抑えて早く導入したい企業や、事業の拡大、部署の新設・統合で利用規模が変わりやすい企業には、クラウドが合います。機器を購入せず、契約の変更でリソースを増減できるため、規模の見通しが立たない段階でも過不足なく始められるからです。
情報システム部門の人数が限られる企業では、サーバーの保守や障害対応を事業者に任せられる点が導入の理由になります。テレワークや複数の拠点、取引先とのファイルのやり取りが多い企業にとっては、場所を問わず同じ環境を使えることが決め手です。
自社に合う形態を判断するチェックリスト
前の2つの見出しで示した企業像を、自社に当てはめて確かめられる設問としてまとめました。各項目の理由は説明済みのため、繰り返しません。使う際は、ファイルサーバーや会計システムなど対象を1つずつ決め、当てはまる項目の数を数えます。
数の多い側が、その対象に合う形態の目安です。ただし、法令や契約の項目に当てはまる場合は、数にかかわらずその要件を優先します。オンプレミス寄りとクラウド寄りの両方に当てはまる場合は、次章で説明するハイブリッドを検討する余地があるでしょう。
- □法令や契約で、データを自社の管理下に置くことが求められている
- □独自開発の既存システムとの密な連携が欠かせない
- □運用・保守を担える情報システム部門の人材がいる
- □同じ規模・構成のまま長期間使い続ける見込みがある
- □初期費用を抑えて早く使い始めたい
- □利用者数やデータ量が今後増減する見込みがある
- □社外や拠点、取引先から利用する場面が多い
- □サーバーの保守や障害対応の負担を減らしたい
- □機器の故障や被災で業務が止まる事態に備えたい
オンプレミスとクラウドを併用するハイブリッド
前章のチェックリストでオンプレミス寄りとクラウド寄りの両方に当てはまった場合や、既存のシステムを一度にすべてクラウドへ移せない場合は、ハイブリッドという選択肢があります。
オンプレミスとクラウドを組み合わせ、それぞれの長所を生かす使い方です。どちらか一方に決めるのではなく、システムやデータごとに置き場所を選ぶという考え方に立ちます。
続く見出しで、ハイブリッドの仕組みとメリット、使い分けの例、併用時に増える運用負担について解説します。
ハイブリッドクラウドの仕組みとメリット
ハイブリッドクラウドは、オンプレミスとクラウドをVPNなどのネットワークで安全につなぎ、システムやデータごとに置き場所を使い分ける構成です。社外に出せない機密性の高い情報はオンプレミスで管理し、日々の業務情報はクラウドで扱うといった分担ができます。
オンプレミスの自由度とクラウドの導入しやすさや拡張性を組み合わせることで、互いの弱みを補えます。普段はオンプレミスで運用し、繁忙期だけクラウドで処理能力を補う使い方も可能です。両方の環境にバックアップを置けば、非常時の復旧にも備えられます。
システム・データ別の使い分け例
システムやデータの性質に応じて置き場所を分けると、それぞれの形態の長所を生かせます。独自開発の基幹システムは既存の仕組みとのつながりを保つためにオンプレミスに残し、メールやグループウェアはクラウド上のSaaSに任せるのが代表的な組み合わせです。
ファイルデータでは併用も選べます。写真や研修の録画などの大容量ファイルは、社内ネットワークにつなぐ保存装置であるNASや既存のファイルサーバーに置いたまま使い、社外との共有やバックアップだけをクラウドで行います。置き場所の例と理由を、下の表に示します。
| システム・データ | 置き場所の例 | 理由 |
| 独自開発の基幹システム | オンプレミス | 既存システムとの密な連携や独自仕様への対応が必要なため |
| メール・グループウェア | クラウド(SaaS) | 社外から利用する場面が多く、自社で基盤を保守する必要性が低いため |
| 社内のファイルデータ | オンプレミスとクラウドの併用 | 社内では大容量ファイルを素早く開き、社外との共有やバックアップはクラウドで行えるため |
併用時に注意すべき運用負担
ハイブリッドクラウドでは、オンプレミスとクラウドの両方を維持し、互いを連携させなければなりません。構成が複雑になる分、運用の手間が増え、VPNなどのネットワークやセキュリティ対策の費用もかさみがちです。
どのデータをどちらに置くかのルールを決めないまま併用すると、同じファイルが社内とクラウドに散らばり、管理が行き届かなくなります。両方の環境に精通した人材を確保し、アクセス権や操作ログを一元的に管理できる仕組みも整えておく必要があります。
ファイルサーバーのクラウド化・併用ならDirectCloud
DirectCloudは、株式会社ダイレクトクラウドが提供する法人向けクラウドストレージです。社内のファイルサーバーに置いていたファイルをクラウド上で管理し、社内や取引先との共有にご利用いただけます。総務省の令和7年版情報通信白書によると、企業が利用するクラウドサービスのなかでも「ファイル保管・データ共有」は利用率が高い用途の1つです。基幹システムの見直しには時間がかかっても、社内で日々扱うファイルデータは、クラウド化や併用の検討を始めやすい領域にあたります。
本記事で取り上げた管理責任、利用者数に応じた費用、一度に移せない事情、故障や被災への備えという4つの課題に、DirectCloudがどう対応できるかを下の表に示します。
| 本記事で扱った課題 | DirectCloudの機能 | 該当する見出し |
| クラウドでもアクセス権やデータの設定・管理の責任は利用企業に残る | 7段階のアクセス権、250種類以上の操作ログ、デバイス認証・IPアドレス制限 | 権限とログで統制しながら社外からも使える |
| 利用者数に応じて利用料が増えると、利用期間の総額が膨らむ | ユーザー数無制限の料金体系 | ユーザー数無制限の定額で費用を見通せる |
| すべてを一度にクラウドへ移せない、機器の故障や被災でデータや業務が失われるおそれがある | NASとの同期によるハイブリッド運用、国内データセンター(AWS東京リージョン)での保管、遠隔地バックアップ(オプション) | NASを残したまま併用し故障や災害にも備えられる |
権限とログで統制しながら社外からも使える
DirectCloudでは、ユーザーやグループごとに7段階のアクセス権を設定でき、フォルダを閲覧だけできる人と編集もできる人を分けられます。ログインやファイルの送受信など250種類以上の操作ログも記録されるため、クラウドでも利用企業に残るアクセス管理の責任を果たせます。
許可した端末だけを通すデバイス認証と、接続元を限定するIPアドレス制限を組み合わせれば、社外から使える端末と場所を絞り込めます。通信と保管データはいずれも暗号化し、国内のデータセンターで保管しています。
参照元:DirectCloud|法人向けクラウドストレージ「DirectCloud」の特徴 | 業務負荷を軽減する管理者機能
参照元:DirectCloud|法人向けクラウドストレージ「DirectCloud」の特徴 | 強固なセキュリティ
ユーザー数無制限の定額で費用を見通せる
DirectCloudは、ユーザー数無制限の定額制でご利用いただけます。料金は利用者数ではなくご契約の容量に応じたプランで決まり、全社員にIDを発行しても追加料金はかかりません。クラウドのデメリットで触れたとおり、利用者数で課金される料金体系では事業の拡大とともに費用が膨らみますが、定額制なら利用期間の総額を見通しやすくなります。
初期費用もかからないため、導入時の負担を抑えられます。たとえば毎年数十人の新入社員を迎える企業や、人事異動で部署間の移動が多い企業でも、追加費用なしでIDを増やせます。
参照元:DirectCloud|法人向けクラウドストレージ「DirectCloud」の特徴 | 実感できるコストパフォーマンスの高さ
NASを残したまま併用し故障や災害にも備えられる
NASとDirectCloudを同期させれば、社内ではNASから大容量ファイルを素早く開き、社外からはクラウドで同じファイルを使えます。NASのファイルはクラウドにも自動で保存されるため、NAS単体より機器の故障や社屋の被災に強い構成です。
クラウド側はAmazon Web Services(AWS)東京リージョンの国内データセンターで保管しています。サービス品質保証(SLA)では月間稼働率99.95%を保証し、月別の稼働率も公開しているため、「クラウドにも停止リスクは残る」で挙げた確認事項にもお応えできます。同期はQNAP製NASに対応しており、部署や拠点ごとに段階的なクラウド化を進められるDirectCloud Gatewayもご用意しています。
首都圏の広い範囲に及ぶ災害まで備えたい場合は、オプションの災害対策・遠隔地バックアップを利用できます。DirectCloudのデータを大阪リージョンまたはシンガポールリージョンのDRサイトへ毎日自動でバックアップし、東京リージョンが使えない場合もDRサイトからファイルをダウンロードして業務を再開できます。可用性は99.95%から99.99%相当に高まります。
参照元:DirectCloud|NASとクラウドのハイブリッド運用でビジネスがさらに安全・快適に!
参照元:DirectCloud|法人向けクラウドストレージ「DirectCloud」の特徴 | 堅牢なデータ管理
参照元:DirectCloud Gateway|NAS × クラウドのハイブリッドストレージ
参照元:DirectCloud|サービス品質保証制度(SLA)
参照元:DirectCloud|災害対策・遠隔地バックアップで万が一の災害・トラブルに備える!
ファイルサーバーをクラウド化した企業の事例
本記事で取り上げたオンプレミスの課題のうち、機器の老朽化、障害や災害への備え、社外とのファイル共有の3つを、DirectCloudの導入で解決した企業の事例をご紹介します。
老朽化したファイルサーバーから脱却し容量も柔軟に拡充
電子部品を主要貨物として国内外で物流を担う株式会社アルプス物流様では、約7年使ってきたオンプレミスのファイルサーバーが老朽化し、メーカー保証の満了も迫っていました。容量を拡充するたびに工数と投資がかかり、文書検索の機能がないため必要なファイルを探しにくい状態でした。
DirectCloudへ移行した結果、オンプレミスのファイルサーバーから脱却し、容量を柔軟に拡充できる体制が整いました。フォルダを指定した絞り込みや文書内のテキスト検索で、必要なファイルを瞬時に探せる環境も実現しています。
BCP上のリスクだったサーバーを解消し管理工数も削減
ダムや道路、空港などの土木工事を手がける山﨑建設株式会社様では、外部のコンサルティングでファイルサーバーの運用リスクを洗い出した際、拠点のサーバーに外部からアクセスできなくなると業務が滞る点が浮き彫りになりました。サーバーの物理的な損壊への備えのほか、バックアップの取得やハードディスク交換の工数も負担でした。
DirectCloudにデータを統合したことで、サーバー破損のリスクを低減しています。ビジネスプランでは最大60世代までバックアップを取得でき、取得やハードディスク管理の工数も削減されました。
複数の社内サーバーを撤去し社外とも円滑に共有
人材派遣などを手がけるテックビジネスサービス株式会社様では、親会社のビル内に分散して働く社外勤務者との情報共有に課題がありました。取引先とのデータ共有はメールに頼っており、データ容量の増加への対応も必要でした。
DirectCloudの導入後は、ライセンスを持たない人にファイルへのアクセスを許可できるゲスト招待機能で、社外勤務者や取引先と円滑に共有しています。社内のファイルサーバー、バックアップサーバー、操作ログサーバー、ユーザーを管理するActive Directoryサーバーも撤去できました。
よくある質問
オンプレミスとクラウドを検討する情報システム担当者や経営層からよく寄せられる質問に回答します。
オンプレミスからクラウドへの移行が進むのはなぜ?
-
主な理由は、場所を選ばない利便性と規模の変化に合わせやすい拡張性です。総務省の令和7年通信利用動向調査では、クラウドを利用する理由として「場所、機器を選ばずに利用できるから」(50.7%)が最多でした。
とくに「システムの拡張性が高いから(スケーラビリティ)」(28.9%)は前年から6.8ポイント増え、最も大きく伸びています。機器の老朽化や保守期限、テレワークの定着も見直しのきっかけになります。移行の進め方は関連記事で解説しています。
参照元:総務省|令和7年通信利用動向調査 ポイント(別紙1)(PDF) オンプレミスは時代遅れ?クラウドから戻す企業もある?
-
オンプレミスは時代遅れではなく、システムの規模や要件によっては今も適しています。クラウドへ移したシステムをオンプレミスに戻す「オンプレ回帰」の動きもあります。
市場調査のノークリサーチが2024年に公表した中堅・中小企業の調査では、回帰した企業の課題に、社内とクラウド間の通信費用の高さや、業務要件よりクラウド移行を優先したことが挙がりました。移行前に要件と費用を比べておく必要があります。ただし同調査は、クラウドを経験したうえで最適解として戻す「ポジティブなオンプレ回帰」もあると分析しています。
参照元:ノークリサーチ|2024年 中堅・中小企業のサーバ環境におけるクラウド移行とオンプレ回帰の実態(PDF) プライベートクラウドとオンプレミスの違いは?
-
プライベートクラウドは、特定の組織だけが占有するクラウド環境です。他社と共有しないため、オンプレミスに近い形でシステムを作り込め、自社の方針に沿ったセキュリティ対策もとりやすくなります。オンプレミスとの違いは、機器を誰が持つかにあります。
事業者が提供するプライベートクラウドでは、利用企業は機器を保有せず、基盤の保守も事業者が担います。機器の購入や入れ替えを自社で行わずに済む分、オンプレミスより運用の負担を抑えられます。 オンプレ版とクラウド版のソフトは何が違う?
-
業務ソフトには、自社のPCやサーバーにインストールして使うオンプレミス版と、インターネット経由で使うクラウド版があります。オンプレミス版では、バージョンアップや法改正への対応、バックアップを自社で行います。クラウド版は提供元が更新するため、常に最新の状態で使えます。
ただし、同じ製品でも版によって使える機能が異なったり、ブラウザでの操作になってキーボード操作の感覚が変わったりする場合があります。切り替える際は、提供元に違いを確かめておくことが欠かせません。
まとめ
オンプレミスとクラウドの選択は、どちらが優れているかではなく、自社の条件に合うかどうかで決まります。費用や安全性、停止リスクの評価は利用期間や運用体制によって変わるため、一面的な比較では導入後に想定外の負担が生じかねません。システムやデータごとに要件を見極め、必要に応じて併用も取り入れることで、コストと安全性を両立した環境を築けるでしょう。
DirectCloudは、7段階のアクセス権と250種類以上の操作ログ、ユーザー数無制限の定額制、NASとの同期を備えた法人向けクラウドストレージです。ファイルサーバーのクラウド化や段階的な併用を進めたい企業のご担当者様は、ぜひ導入をご検討ください。
- タグ:
- クラウドストレージ



