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情報セキュリティの基礎知識!
SQLインジェクションへの対策と具体的な仕組みを徹底解説

今回は、インターネットのWEBアプリケーションで典型的なサイバー攻撃のひとつとされる「SQLインジェクション」とは何か、その具体的な仕組みや対策方法を詳しくまとめました。情報セキュリティ対策の基礎知識として、是非とも押さえておいてください。

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そもそもSQLとは何か

SQLとは、「シーケル」「シークェル」と呼ばれるもので、リレーショナルデータベースにおいて利用される言語のことを意味しています。データ作成・データ読み込み・データ削除・データ更新といった4種類の作業(CRUD)を実行することができ、ISO(国際標準化機構)によって規格化されているので、ほとんどのインターネット上のデータベースで汎用的に利用される言語となっています。

SQLインジェクションとは

問題となるSQLインジェクションとは、先ほどお伝えしたSQLに対して、不正なプログラムを注入するサイバー攻撃の総称を意味しています。古典的な攻撃方法であると言われていますが、今なお多くの被害が見られているため、注意が必要です。

2011年には大手ゲーム会社のオンラインサービスから7,700万件の個人情報が流出、2016年にはLinuxベースのOSのユーザーフォーラムにて200万アカウントの情報が流出、2021年には大手玩具メーカーから4万件を超えるメールアドレス情報が漏洩するなど、SQLインジェクションによるサイバー攻撃による被害はこれまで多々見られています。

SQLインジェクションの仕組み

SQLインジェクションで標的になりやすいのは、ポータルサイト、決済サイト、ネットショッピングサイトなど、大量の個人情報データなどを保有しており、SQLでの制御が必要なサイトです。

SQLインジェクションの仕組みとしては、SQLの構文の脆弱性を悪用して、不正なSQLを実行するケースが多いです。有名な事例としては、ダブルハイフン(- -)を利用してセキュリティホールを作り、以降の構文を全て無視させて、ハッカーにとって都合の良い構文を作成・実行するケースなどが挙げられます。

SQLインジェクションの影響

SQLインジェクションによるサイバー攻撃を受けた場合、具体的にどのような悪影響があるのかを以下にまとめました。

個人情報の漏洩

SQLインジェクションによるサイバー攻撃を受けると、Webサイトを利用している全てのユーザーの個人情報が漏洩してしまうリスクがあります。これは、登録されている会員情報全てが対象となるため、決済のためのクレジットカード情報なども漏洩する可能性があるので、非常に危険です。

機密情報の漏洩

SQLインジェクションによるサイバー攻撃では、個人情報のみならず、Webサイトの運用に関わる運用ノウハウなどの機密情報も同じく漏洩する可能性があります。取引先に関する情報などの企業秘密を知られてしまう可能性もあるため、その点にも注意が必要です。

ウェブサイトの改ざん

SQLインジェクションによるサイバー攻撃を行うことで、攻撃対象となるWebサイトのデータなどを改ざんすることが可能となってしまいます。

サイト内の情報が不正に改ざんされてしまった場合、Webサイトで提供しているサービスの信頼が大きく損なわれることはもちろん、ユーザーがWebサイトを利用した場合にマルウェアが実行されて不正な動作が行われるなど、被害が拡大する可能性もあるので注意しなければなりません。

SQLインジェクションの対策

SQLインジェクションの具体的な情報セキュリティ対策の方法としては、以下が挙げられます。

セキュリティサービスを導入する

まず、SQLインジェクションによるサイバー攻撃を予防することのできるセキュリティサービスやソフトウェアの導入を検討しましょう。導入すれば、SQLインジェクションを含むさまざまなインターネットからのサイバー攻撃に対応することが可能となります。

ただし、Webサイトの利用者側への対策は実施できても、運営者側への対策にはならないケースもあるため、脆弱性診断サービスなどでWebサイトの脆弱性をチェックして、別途、情報セキュリティ対策を実施する必要がある旨は忘れないようにしましょう。

データベースのログを常に監視する

SQLインジェクションによるサイバー攻撃を早期発見するために、データベースのログを常に監視・解析して、データ書き換えが行われていないか、抽出されたデータの範囲はどれくらいかなどをチェックする方法も有効です。

常時、データベースのログを監視・解析することにより、システムログへの攻撃を検知することができたり、普段は使われていないSQL文が利用された形跡をキャッチすることができたりします。

エスケープ処理を実施する

エスケープ処理とは、SQLインジェクション対策の中でも有効な対策方法として知られています。プログラム言語で利用される記号や特殊な文字を、ルールに沿って別の文字列に書き換えることを、エスケープ処理と呼びます。

SQLインジェクション対策を実施する場合のエスケープ処理では、シングルクォートやセミコロンなどの記号が対象となり、これらの文字を普通の文字として認識するように設定を行うことにより、攻撃する側がSQLを送り込んできたとしても、その攻撃を無効化することができます。

想定している文字以外は利用しない

入力ボックスに入れることのできる文字を、半角数字の入力以外も入力禁止にするなどし、想定している文字以外は利用できないように設定することもSQLインジェクション対策としては有効です。

SQLインジェクションは特殊文字を利用しないと攻撃することができないという特徴があるため、このような仕様にすることでSQLインジェクション対策を実施することができます。

SQLインジェクションの対策を万全に

SQLインジェクションの攻撃は、一度受けてしまうと大量の個人情報などが流出してしまう危険性があるため、被害は甚大になる恐れがあります。

ここまでお伝えしてきた通り、SQLインジェクションは、典型的なサイバー攻撃であり、多くの被害が現在も報告され続けているものです。情報セキュリティ対策を万全にして、Webサイトを利用しているユーザーや、サイトでリリースしているサービスを守りましょう。

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サイバー攻撃対策にはクラウド化も有効な手段です。

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