働き方改革の一環や新型コロナウイルス感染症の対策として、政府は国内企業へ向けて以前からテレワークの導入を要請しています。2度目の緊急事態宣言が発出されたことにより、本格的にテレワークの導入に乗り出した企業も多いでしょう。テレワークを始めるためには、自社に必要なツールを洗い出し、導入する必要があります。
今回は、テレワークを導入するために必要となるツールを紹介します。多くのケースで必要となるツールをまとめて紹介しているため、自社のテレワーク導入検討に役立ててください。
- 目次
- 1. 企業がテレワークを導入するメリット
- 2. テレワークに移行するためのハードル
- 3. テレワーク移行に必要なツール
- 4. テレワークツールの導入に必要なコスト
- 5. テレワークツールの導入以外で工夫すべきこと
- 6. まとめ
企業がテレワークを導入するメリット
テレワークには、さまざまなメリットがあることをご存じでしょうか。メリットを理解した状態で検討を進めることで、テレワークの効果をより高められるため、はじめに確認しておきましょう。ここでは、主に企業の管理部門や経営層からみたテレワークのメリットを紹介します。
コスト削減
厚生労働省の「テレワーク総合ポータルサイト」でも述べられている通り、テレワークを導入してオフィスに出勤する社員が減ると、人数分のデスクや椅子、大人数用の会議室は必要なくなるため、コストを削減できるというメリットがあります。
テレワークによって社員の出社が不定期になれば、フリーアドレスを導入することも可能でしょう。これにより、オフィス面積を削減できるため、賃料を下げられます。オフィスの面積が少なくなれば、空調などにかかる電気代も下がるでしょう。
出社日の電車代を実費精算にすれば、定期券代よりも安く抑えられるケースもあります。テレワークを導入して自然とペーパーレス化が進めば、印刷代や用紙にかかる費用も削減可能です。複合機の台数を減らして、リース料金を削減することもできるでしょう。
このように、オフィスに出社する社員が減ると、さまざまな側面からコストを削減できます。
通勤がなくなって生産性アップ
特に都市部においては、通勤が社員のストレスとなっているケースがあります。通勤時間が長い、満員電車で不快な思いをする、マイカー通勤の場合は渋滞に巻き込まれるなど、日本の通勤事情はあまり良いものだとはいえません。
ザイマックス総研の「首都圏オフィスワーカー調査2019」によると、通勤ストレスが低いグループほど、生産性やエンゲージメントに関する項目の評価が高い傾向にあったと示唆されています。よって、テレワークによって通勤をなくすことは、社員の心身のストレスを軽減し、生産性のアップにつながります。
満員電車のせいで毎朝オフィスに到着した時点で疲労を感じている、自宅が遠く早朝に家を出ているため睡眠不足に陥っているなど、通勤があるせいで最大のパフォーマンスを発揮できていない社員がいるかもしれません。テレワークを導入すれば、そのような社員もパフォーマンスを向上させることが可能です。ワークライフバランスの向上も期待され、社員が生き生き働ける環境に近づくでしょう。
人材確保に効果的
総務省「テレワークの最新動向と総務省の政策展開 」にも述べられている通り、テレワークの導入により企業の経営課題である「社員の離職」や「人材不足」を解決することができます。
育児や介護などの事情で、優秀な社員がやむを得ず退職してしまった、という経験のある企業も多いのではないでしょうか。自宅で仕事ができるテレワークが導入されていれば、その退職は防げたかもしれません。
また、社員を採用する際、テレワークを導入していると居住地を考慮する必要がありません。全国の人材が採用対象になるため、幅広く募集をかけられます。地方に住んでいる優秀な人材を採用できるなど、人材確保の面でもテレワークには大きなメリットがあります。
有事の際でも業務が継続できる
近年では新型コロナウイルス感染症の流行が顕著な例ですが、それ以外にも日本は地震や台風など、出社が困難な事態に陥る可能性が高い国です。
そのような事態に陥る前にテレワークを導入しておくことで、有事の際でも業務を継続できます。
緊急事態宣言が出される前からテレワークを導入していた企業とそうでない企業では、対応にかか「人材不足」を解決することができます。るスピードに大きな差が出たことは明らかでしょう。
テレワークに移行するためのハードル
テレワークには大きなメリットがありますが、通常の業務をテレワークに移行することは簡単ではありません。テレワークに移行しても問題なく業務を継続するためには、越えなければならないハードルがいくつかあります。
国土交通省の「平成31年度(令和元年度)テレワーク人口実態調査」によると、テレワーク(在宅勤務)を実施した人のうち、実施するうえで何らかの問題があったとした人の割合は72.2%で、それぞれ下記のような割合となっています。
テレワークのための環境を整える
まず26.8%を占めている「会社でないと閲覧・参照できない資料やデータなどがあった」はテレワーク環境の問題であると言えます。
テレワークを行うためには、オフィス以外の場所でもオフィスにいるときと同じように仕事ができなければなりません。「テレワークは導入していないが、必要な環境は以前から整っていた」というケースは少ないでしょう。ほとんどの場合で、新たなツールの導入や環境の構築が必要になります。
例えば、バラバラの場所にいても会議ができるWeb会議ツール、社外のネットワークから業務システムにアクセスするためのVPNサービス、持ち運びができるノートパソコンやタブレットなどのデバイスなどの導入が挙げられます。ソフトウェアからハードウェア、インフラ環境に至るまで、テレワークを導入するためにはさまざまな準備が必要です。
意思疎通に苦労することがある
次に9.7%を占めているのが「同僚や上司などとの連絡・意思疎通に苦労した」という問題です。
テレワークは従来と全く異なる働き方のため、いきなり導入すると社員が戸惑ったり不安を感じたりするケースがあります。上司や同僚とのやりとりはどうすればよいのか、取引先に迷惑がかからないか、テレワークでも正しく評価を受けられるのかなど、さまざまな不安の声が出てくるでしょう。
これらの不安を解消するためには、社員が不安に思うであろう内容を事前に洗い出し、対応方法をしっかり社員に周知する必要があります。不安に思っていることがないか社員にアンケートを取るのもよいでしょう。
出社しなければならない事情がある
その他にも出社しなければ業務に支障が出るといったケースも挙げられます。代表的な例が、電話やFAXの対応です。営業職などであれば社用携帯で取引先とも連絡が取れますが、会社の代表番号にかかってくる電話はオフィスにいなければ対応できません。受発注などにFAXを利用している場合は、届いた紙を確認しなければならないため、オフィスに出社する必要があります。
必要な資料を紙で管理している場合も同様です。誰かひとりが資料を持ち帰ると、他の人が資料を使えなくなります。そもそも、重要な資料を自宅に持ち帰るのはセキュリティの観点からも大きなリスクです。これらの問題を解消しなければ、常に何人かの社員は出社しなければならず、部署によってはテレワークが全くできないということにもなりかねません。
テレワーク移行に必要なツール
テレワークでも業務をスムーズに行うためには、それに適したツールが必要です。ここでは、テレワークで必要となるツールを紹介します。
厚生労働省の「テレワーク総合ポータルサイト」では、下記ツールの導入が推奨されています。
Web会議ツール
テレワークは社員同士がバラバラの場所で働くことになるため、Web会議ツールは必須です。
カメラとマイクが内蔵されたデバイスとネットワークさえあれば、離れた場所にいても会議が行えます。特に在宅勤務では上司や同僚とのコミュニケーションが減るため、顔を見ながら会話ができるWeb会議ツールは、孤独感や疎外感の解消にも効果があります。
ビジネスチャットツール
メールや電話よりも気軽に連絡が取れるチャットツールも、テレワークには必要です。
メールは形式を気にして文章作成に時間がかかったり、電話は相手が出られない場合があったり、「ひとこと確認したい」というときには面倒に感じることもあるでしょう。そのような場合に、チャットツールは有効です。離れた場所で働くテレワークでは、気軽に連絡が取れるツールの有無で業務効率は大きく変わります。
クラウドストレージ
テレワークの導入において、ペーパーレス化は避けて通れません。先述の通り、紙資料が多いとテレワークは難しくなるためです。業務に必要な資料はデータ化し、どこからでもアクセスできる環境を整えましょう。
そこで役立つツールが、クラウドストレージです。クラウドストレージを使えば、必要なデータをクラウド上に保存し、外部のネットワークからでもアクセスできます。セキュリティの高いサービスを利用すれば、情報漏洩などのリスクも軽減できます。
勤怠管理ツール
テレワークでも始業・終業時間の管理、有給休暇や残業の申請などが必要なため、勤怠管理ツールを活用しましょう。
社員の立場では、勤務状況を会社側が把握していなければ、評価に影響があるのではと不安になります。テレワークでは仕事とプライベートの境目があいまいになりやすいため、働きすぎなどを防ぐという意味でも勤怠管理はしっかり行う必要があります。
クラウドFAXサービス・IP電話
パソコン上でFAXを送受信できるクラウドFAXサービスや、パソコンやスマートフォンを使って会社の電話番号で受発信できるIP電話サービスを使えば、電話やFAXのために出社する必要はなくなります。
自社の業務状況に応じて導入を検討しましょう。
プロジェクト管理・タスク管理ツール
テレワークではひとりひとりの作業進捗がわかりにくいため、プロジェクト管理ツールやタスク管理ツールを活用しましょう。
進捗管理があいまいでは、作業の遅れなどのトラブルを見落とす可能性があります。業務のスケジュールを共有し、ひとりひとりの作業進捗をまとめて管理できるツールがあれば、テレワークでもチームワークを保ちながら業務を進めることが可能です。
セキュリティ対策のソフトウェア
オフィス勤務でもセキュリティ対策は必須ですが、テレワークの場合はさらに高いセキュリティ対策が求められます。ウイルス対策ソフトはもちろん、安全なネットワーク接続のためのVPNサービス、端末にデータを残さないリモートデスクトップ、パソコンの盗難や紛失に備えてパスワードロックをルール化するなど、外部からの脅威のみならず、内部からの脅威を考慮した対策が必要です。
テレワークツールの導入に必要なコスト
テレワークに必要なツールは多くあり、新たに導入するツールが多いほどコストがかかってしまいます。ここでは、テレワークツールの導入にかかるコストについて解説します。
かかるコストはツールによって様々
導入するツールによって、かかるコストは大きく異なります。初期費用がかからない代わりに月額料金がかかるもの、ランニングコストは安いが初期費用がかかるものなど、料金形態はさまざまです。
Web会議ツールやビジネスチャットツールなどは、無料で利用できるサービスも少なくありません。しかし、業務で利用するには適していないものもあるため、注意が必要です。機能の多さや利用するユーザー数に応じて料金が変わるケースもあるため、必要な機能とコストをツールごとに比較して検討しましょう。
クラウドストレージならDirectCloudがおすすめ
DirectCloudは、社内外を問わずファイル共有が可能な、ユーザー数無制限のクラウドストレージです。月額料金はストレージ容量によって決まるため、コストを管理しやすいというメリットがあります。
テレワーク環境下で想定され得るセキュリティリスクである「内部不正」に対してはIPアドレス制限・デバイス認証・操作ログ取得機能によって対応することができ、ファイルを誤送信してしまったと気づいた場合の共有リンク削除機能、誤送信に気づかなかった場合のIRM暗号化まで一貫した対策をとることが可能です。
テレワークツールの導入以外で工夫すべきこと
テレワークに必要なツールを導入すれば、すべての課題が解消されるというわけではありません。ここでは、ツールの導入以外に工夫すべきポイントについて解説します。
テレワークに合わせた業務改善
ツールを導入するだけでなく、その機能を最大限に活かせるように業務を工夫することも大切です。例えば、コミュニケーション不足に陥らないように定期的にWeb会議の場を設ける、「言わなくても伝わるだろう」という考えはやめてしっかり言語化するなど、テレワークに合わせて業務改善や意識改革を行いましょう。
テレワーク時の人事評価
テレワークは日常の勤務態度が見えないため、人事評価については評価する方もされる方も不安に感じています。
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社が実施した「テレワーク中の評価に関する意識・実態調査」によると、20代~60代の会社員500名のうち、約半数が評価に対する不安を持っています。
評価への不満は社内トラブルや人材の流出にもつながりかねないため、しっかり対策を行いましょう。評価項目を明確にしたり、評価方法を統一したりして、テレワーク環境下でも人事評価が偏ったり不安を集めたりしないように工夫することが必要です。
まとめ
テレワークを導入してもスムーズに業務を進めるためには、課題を解消するためのツールを導入する必要があります。
全社的なセキュリティポリシーに沿って全社員への導入ができるツールを導入することは、テレワーク時のセキュリティ向上において必要不可欠であり、その一つの選択肢としてDirectCloudの活用をおすすめします。
その理由を下記資料にまとめておりますので、お気軽にダウンロードしてください。
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