データガバナンスの重要性と取り組むメリットとは|具体的なケースをもとに解説

業種問わず、様々な分野でDXが推進され、それに比例しデータ活用への関心が高くなっています。

企業が有する大半のデータが非構造化データであると言われており、DXや円滑で全社横断的なデータ活用を実現するためには、データの活用に関するルール(データマネジメント)を制定し、そのルールを統制するための基盤構築(データガバナンス)が重要です。

このコラムでは、データの効率的な活用に必要なデータガバナンス導入のポイントや実施手順、データガバナンスを構築するために有用なDirectCloudの機能について解説します。

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1.  データガバナンスとは何か

企業活動やビジネスを円滑に進めるためには、組織全体でデータをどのように運用するかを決める必要があります。
データを適切な方法で管理・活用することで、データドリブン経営による迅速な意思決定が可能になります。

例えば、データ分析とAIの活用で、需要と業務量予測の精度を向上させ、予測に基づく生産・在庫管理・人員配置の改善などをデータで把握することで、売上向上やコスト削減を実現する事例が増えています。

このようなデータドリブン経営を進めるためには、組織のサイロ化により分散されたデータを統合し、一元管理して取り扱えるようにする必要があります。

これを実現する際に役立つのが「データガバナンス」です。
データガバナンスには、分散した企業のデータを統合し、効果的にビジネス活用できる状態にする機能があります。

詳しく見ていきましょう。

2.  データマネジメントとデータガバナンスの関連性

「データガバナンス」と「データマネジメント」、そして「データドリブン」は異なる概念ではありますが、深い関連性があります。

「データマネジメント」はデータをルール通りに活用するための行動とすれば、「データガバナンス」はデータマネジメントを守らせるために監視・サポートすることを言います。

また、前述した「データドリブン」の概念を要約すると、売上データやマーケティングデータ、WEB解析データなどのデータに基づいた意思決定のうえで経営活動することを指します。

まとめると以下のようになります。

3. データガバナンスのメリット

データのサイロ化を解消しデータ活用を促進

データガバナンスに取り組むことで、必要なタイミングで適切なデータを活用できる状態にできます。
また、業務の属人化を防ぎ、ビジネス戦略の策定と検証に活かせるため、業務効率と生産性の飛躍的な向上が期待できます。

企業組織におけるデータの共通理解ができる

データガバナンスを図ることで、企業組織内でのデータに関する共通理解が得られ、部門をまたいだデータの統合・活用もしやすくなります。

データに信頼性が生まれる

データの正確性や一貫性が生まれ、データドリブン経営に欠かせないデータの信頼性を生み出せます。

コンプライアンス違反を防ぐ

データ管理に関するセキュリティポリシーの軸に沿って監視することが可能になります。
これによりコンプライアンス違反を防いだり、万が一コンプライアンスに抵触する事態が起こったときでも迅速な対応が可能になります。

安全性を保護

すべてのデータの取り扱いやセキュリティを監視することで「情報漏えい」を防ぐことができます。

データマネジメントの効率向上

パワフルな管理機能によりファイル、アクセス権、セキュリティポリシーを設定・監視することができ、統制されたデータの活用を手軽に実現します。

4. データガバナンスを実施する手順

ここでは、実際にデータガバナンスを実施する手順を見ていきましょう。

データマネジメントの現状と課題を把握する

データガバナンスを推進する際には、最初に自社のデータマネジメントの現状と課題を洗い出し、把握しておきましょう。
そうすることで、自社の課題に適したデータガバナンス基盤を構築することができます。

データガバナンスの目的を明確にする

次に、なぜデータガバナンスを始めるかという目的を明確にしなくてはなりません。

データガバナンスに必要なルールをまとめる

データガバナンスの目的を明確にしたら、目的を達成するためにデータマネジメントをどのように統制していくのかを決めます。
データガバナンスに必要な項目を洗い出し、データガバナンスでデータマネジメントを監視できる粒度でルールをまとめましょう。

データガバナンスをもとに人員を配置

データガバナンスのルールをまとめたら、それを監視する人員を配置します。
例えば、セキュリティポリシーの策定、コンプライアンス、アクセス権限などを監視する人員を配置していきます。

データガバナンスの適用

いよいよデータガバナンスに則ったデータマネジメントの運用を開始します。
企業が日々生み出すデータの保管や、データの共有・活用など、データマネジメントに関わるすべての流れにデータガバナンスを適用します。

実施内容のチェック

データガバナンスのもとにデータマネジメントを始めたら、データの全体像を把握することが必要です。
例えば、ログを分析することで社内外でどのようにデータにアクセスされているのか、いつ・だれが・どのようなデータを変更したのかなどを確認できます。

また、データガバナンス実施以降も、データガバナンスに則ったデータマネジメントが行われているか、役割は果たせているかなどのポイントをチェックしていくことが重要です。
チェックすることで新たな課題を見つけられる可能性があり、適切なデータガバナンスを推進できます。

5. データガバナンスの機能要素

それでは、データガバナンスの代表的な機能要素について解説していきます。

IT監査

IT監査では、会計システムと財務諸表のお金の流れが一致しているか、システムが正しく運用されているかなどを第三者の機関からチェックを受けます。

データ保全

データ保全とは、データの一貫性を維持しつつ、データを安全に保管するための考え方や行為のことです。

データ復旧のためのバックアップ、システム障害時や災害時にもシステムを利用できるようするためのレプリケーション、データを長期間保存するためのアーカイブなど、様々なデータ保全があります。

特権IDのログ管理

企業の重要な情報を守るために、特権IDは非常に大きな役割を果たします。
企業は特権ID管理を適切に行うことで、内部不正防止や標的型攻撃対策を効果的に実施することが可能です。

アクセス権の棚卸

アクセス権の棚卸とは、従業員の利用アカウントがその従業員の業務や役割に適した権限として付与されているのかを一定期間ごとに見直し、変更・削除する作業のことです。
棚卸を実施する対象によって「ID棚卸」「アカウントの棚卸」と言うこともあります。

高度なゴミ箱

不要なデータを削除できるとともに、データ保全のニーズを満たすためには高度なゴミ箱機能が求められます。
たとえば、指定フォルダのファイル自動削除と権限を有する担当者のみがファイルの完全な削除を行うことにより、データ保全のリスクを抑えられます。

情報漏えい対策

保有するデータの漏えいや消失を防ぐためのシステムです。
保有するすべてのデータを監視するのではなく、漏えいや消失を回避したい重要なデータやフォルダのみを保護し、データの持ち出しを制限します。

リーガルホールド

リーガルホールドとは、係争中の訴訟や当然に予期される訴訟に関連する可能性のあるデータを会社が保全するために利用できるプロセスのことです。
ホールド中にバックアップが削除されないようにする管理ツールのことを指します。

ホールドが実施されている間は、ホールド状態にあるバックアップを削除できません。
バックアップステータスを変更することになるライフサイクルポリシー (Deleted 状態への移行など) は、リーガルホールドが削除されるまで延期されます。

データライフライクル管理

データライフサイクル管理 (DLM) とは、データの生成から最終的な削除に至るまでを管理するポリシー主導型のアプローチです。

今日の企業は驚異的なペースでデータを生成しており、2年間で2倍以上のボリュームになると言われています。
そのデータを有意義に利用するためには、データの収集・維持・保護・応用のそれぞれの目的に特化して周到に設計されたプロセスが必要です。

フォレンジック

IT分野で使われる「フォレンジック」とは、セキュリティ事故が起きた際に、端末やネットワーク内の情報を収集し、被害状況の解明や不正の証拠を見つけ出すための取り組みのことです。
IT分野のフォレンジックはさらに、「コンピュータフォレンジック」、「モバイルデバイスフォレンジック」、「ネットワークフォレンジック」の3種類に分けられます。

フォレンジックの大まかなプロセスは以下の通りです。

  • ①証拠の保全
  • データが残されているコンピュータや記録媒体を収集し、その中にあるデータを完全にコピーされます。
    保全には、「デュプリケータ」とよばれる特殊なツールが使われます。
  • ②データの解析
  • ①のフェーズで保全したデータを分析できる状態に調整されます。
    削除データの復元や時系列順への並び替えなどが行われます。
  • ③関連情報の抽出
  • ②で調整されたデータの中から、調査に必要な情報が抽出されます。
    抽出後は、法的な証拠として有力かどうかが分析されます。
  • ④報告
  • ③で抽出されたデータを整理し、報告書が作成されます。

6. データガバナンスの導入について

2024年現在、多くの企業がDX推進に取り組むようになり、業務のデジタル化が進展している中、データガバナンスの必要性が叫ばれるようになりました。
データガバナンスに関しては、ビジネス価値を生むという攻めの面が大切ですが、データ活用のルールを策定し、円滑に遂行される仕組みを作るという守りの面も重要なポイントになっています。

つまり、守りを固めながらビジネス価値を生み出していくことがデータガバナンスを構築する目標・目的ということになります。

まず、自社内に散在するデータを網羅的に把握し、各データの価値について評価を行い、データを適切に取り扱うためのポリシーや品質基準を設けることが必要です。

また、データガバナンスの遵守状況を監督する部署や責任者の人選など管理体制の確立を図り、導入効果を測りながら改善を行っていくことが望ましいでしょう。

7. まとめ | データガバナンスの基盤構築には「DirectCloud」

DirectCloudは、データガバナンスの構築に適しており、データを統制し、セキュアで効率的に管理する機能を提供いたします。

また、DirectCloudではクラウドストレージにデータファイルを集約し、データガバナンスに則ってデータ活用するために欠かせない機能を網羅しています。

具体的には、以下の機能が備わっております。

  • ・IT監査
  • ・特権IDによるログ監査
  • ・高度なゴミ箱
  • ・情報漏えい対策

上記の機能を用いることで、柔軟かつ厳格なアクセス権限設定やセキュリティポリシー管理を通じて、データの品質向上やコンプライアンスの遵守が可能となります。
また、IT監査機能も備えており、変更履歴やアクセスログを確認することで、セキュリティと信頼性を確保いたします。

データガバナンスの基盤構築とデータ管理には、ぜひ「DirectCloud」をご活用ください。

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