・事務作業の効率性を高めたい
・帳票発行システムなどへの手入力にかかる手間を削減したい
今回は、このようなお悩みをお持ちのあなたに向けた記事です。
昨今はDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れもあり、生産性の向上が企業の優位性に直結する時代になってきています。
本記事を参考にしていただくと、「AI-OCRのメリットや、事務作業をフローごと効率化する方法」を理解いただくことができます。
現場の業務効率化を実現したい方は、ぜひご一読ください。
- 目次
- 1. OCRとは
- 2. OCRのメリット
- 3. OCRとAI-OCRの違いとは
- 4. AI-OCRのメリット
- 5. AI-OCRの選び方
- 6. AI-OCRを使って事務作業を効率化する方法
- 7. まとめ |「DirectCloud-OCR」で業務効率を向上させよう
OCRとは
AI-OCRを理解する前提として、そもそもOCRとは何かを改めて確認しておきましょう。
OCR(Optical Character Recognition)とは、画像データやPDFに記載されている文字を読み取り、テキストデータ化する技術です。
日本語では「光学文字認識」と訳されます。
人間は、紙に書かれている文字を無意識に理解できますが、コンピューターの場合は自動的に読み取ることができないため、紙に書かれた文字をデジタルデータとして活用するためには、人間が「データ入力」する必要があります。
ですが、逐一データ入力をしていては、業務効率が非常に悪いため、人間に代わってデータ入力してくれる技術が「OCR」なのです。
OCRの仕組み
実際に文字を読み取らせる前に、事前に文字を認識する工程を機械に覚えさせる必要があります。
一般的に用いられる文字認識のアルゴリズムとしては、「k近傍法」と「SVM法」を挙げることができます。
文字認識のアルゴリズムの種類と特徴 | ||
名称 | 概要 | 特徴 |
k近傍法(k-Nearest Neighbor Algorithm法) | データ間の距離を利用し、範囲内にあるデータの多数決で分類する教師あり学習 | 必要なハードウェアリソースが少なくて済むが、読み取り可能な書体の数が限られる |
SVM法(Support Vector Machine法) | データを分類するための軸となる線を引いていく教師あり学習 | 読み取り可能な書体の数が多いが、必要なハードウェアリソースが多くなる |
名称 | 概要 | 特徴 |
k近傍法(k-Nearest Neighbor Algorithm法) | データ間の距離を利用し、範囲内にあるデータの多数決で分類する教師あり学習 | 必要なハードウェアリソースが少なくて済むが、読み取り可能な書体の数が限られる |
SVM法(Support Vector Machine法) | データを分類するための軸となる線を引いていく教師あり学習 | 読み取り可能な書体の数が多いが、必要なハードウェアリソースが多くなる |
文字認識と同時に、認識する文書のフォーマットや読み取り範囲の設定を行います。
その後、OCRツールを起動させることで、対象範囲内の文字を行単位・文字単位で切り出し、テキストデータとして出力することができます。
OCRは、文書データをテキストデータ化するという特性上、経理業務における申込書や申請書の取り込み・フォーマット作成に活用されます。
OCRのメリット
定型的な業務へのOCR技術の活用には、下記のようなメリットがあります。
データ入力の作業を自動化できる
これまで、申込書や申請書などを社内で保管する場合や帳票発行システムに取り込む場合、指定のフォーマット上に文字を入力していく作業が発生していました。
しかし、OCRツールを導入し、他システムと連携することで、人手で行ってきたデータ入力の作業を自動化することができます。
ヒューマンエラーを防止することができる
事務作業では受け取った帳票を元に、ミスなく正確に入力していくことが求められます。
とはいえ、人間である以上いつしかヒューマンエラーは起きてしまうものです。
このような場合、OCRツールで入力業務を自動化することで、入力ミスのリスクを未然に防ぐことができます。
リソースを別の作業に割り当てることができる
テキスト入力業務が自動化されることで、従業員は別の作業にリソースを割くことができます。
OCRに限らず、RPA(Robotic Process Automation)などで定型業務を自動化することで、従業員はよりクリエイティブな業務に時間を割くことができるでしょう。
すぐに必要なファイルを探し出すことができる
OCRの特徴は、「テキスト情報」として画像ファイルやPDFから文字を抽出できることです。
したがって、必要なファイルを探す際、キーワードで検索することで、瞬時に必要なファイルにたどり着くことができます。
これまでフォルダ内を人手で辿っていった時間が短縮され、業務効率の向上を期待できます。
OCRとAI-OCRの違いとは
上記の通り、OCRツールを利用することで多くのメリットを享受することができますが、OCRが認識できる文字情報には限りがあります。
黒字で記された書体や手書きの文字情報は問題なく認識することができますが、例えば下記の文字は認識率が下がります。
〈 OCRで認識率が下がる文字情報 〉
- ・カラー文字
- ・文字のかすれ
- ・斜体の文字列
- ・特殊文字
先ほどのk近傍法やSVM法はあくまで定義済みパターンを元に学習させる「教師あり学習」のため、異なるパターンを読み取ることができないのです。
特に、無料で公開されているOCRツールは精度が低いです。
そこで、上記のような文字情報を日頃の業務で取り扱うことが多い場合は、ツール自らがパターンを見つけ出し自己学習する「AI-OCR」を活用することをおすすめします。
一般的なOCRソフトでは誤認しやすい文字でも、AI-OCRであれば学習を重ねることで認識しやすくできます。
100%識別できるわけではありませんが、OCRを使った業務効率の向上につなげられることを期待できます。
AI-OCRのメリット
AI-OCR技術の活用には、下記のようなメリットがあります。
文字認識精度が高い
AI-OCRはその名の通り、深層学習(ディープラーニング)によってパターンを自ら学ぶことで、文字の特徴を抽出することができます。
したがって、OCRよりも文字認識精度が高く、OCRが弱点としていたカラー文字や斜めで記された文字列にも対応することができます。
事前に読み取り範囲の定義付けをする必要がない
OCRでは、テキスト情報を読み取らせる前に、ユーザー側で読み取り位置に関する定義付けを行う手間が発生していました。
しかし、AI-OCRではツール自身で読み取り位置を抽出することができるので、ユーザーが事前に指定する必要がなくなります。
AI-OCRの選び方
AI-OCRを車内に導入する際には、以下のポイントに留意して、検討することをおすすめします。
〈 AI-OCRのよくある選定基準 〉
- ・読み取りの精度
- ・他サービスとの連携機能
- ・操作性(UI)
- ・セキュリティレベルの高さ
- ・サポート体制
読み取りの精度
OCRでは、識別率が下がる文字でも正確に読み取れる、社内で利用している帳票と高い親和性を有しているなど、読み取り機能の精度を見極めることが重要です。
業務効率を向上させるためにも、社内や現場における課題を解決につながる製品を選定しましょう。
導入のしやすさ
AI-OCRの読み取り精度が高くても、現場での運用を始めるまでに工数がかかってしまっては、意味がありません。
操作方法を、トライアルなどで実際に確認しましょう。
セキュリティレベルの高さ
個人情報や機密情報をAI-OCRで安全に運用するためには、セキュリティレベルの高さも重要です。
導入を検討しているサービスのセキュリティー機能や、ベンダーがセキュリティー対策の認証を得ているかなどを事前に確認しましょう。
サポート体制の充実
AI-OCRを導入後、安定的に運用していくためには、困ったときにすぐに相談できる体制が整備されている点も重要です。
導入サービスのベンダーへ、事前に確認するようにしましょう。
連携機能の豊富さ
AI-OCRにAPI機能が用意されているかも、今後の円滑な業務進行を実現するうえで、大切なポイントです。
社内ですでに使用しているツールとAPI連携できれば、さらに業務の効率性を高めることが見込めます。
AI-OCRを使って事務作業を効率化する方法
このように、申請書や申込書などのテキストデータ化は、AI-OCRによって自動化することができます。
しかし、あなたが課題として抱えているのはその先までを一貫して自動化したい、ということではないでしょうか。
つまり、下記業務プロセスの自動化です。
指定フォーマットを作成する際、そのまま社内で保管する場合もありますが、CSVファイルとして作成し、帳票発行システムにインポートするといった作業の発生が予想されます。
したがって、業務効率化するのであれば、「テキスト化~業務システムへのインポート」までを自動化するのが理想と言えます。
それでは、CSVファイルへの出力・帳票発行システムへの取り込みまでを自動化させるためにはどうすればよいのでしょうか。
ここでは、そのポイントについて解説します。
AI-OCRツールとRPAツールを連携する
まず考えられる方法としてAI-OCRツール・RPAツール・業務システムをAPI連携することが挙げられます。
RPAとは、従来人手で行っていた業務プロセスを自動化する技術で、主に定型業務が発生するホワイトカラーが多い職場で活用されます。
AI-OCRによって生成されたCSVファイルを、業務システムに取り込むためのフォーマットに変換することができます。
その他電話・メールの自動化などにも対応することができるため、特定の業務だけではなく幅広い業務改善を行いたい場合に検討しておきたいツールです。
法人向けクラウドストレージ「DirectCloud」を活用する
弊社の提供するクラウドストレージDirectCloudを活用することもおすすめです。
DirectCloudはオプション機能として「DirectCloud-OCR」を提供しており、ストレージ内に帳票を格納することで、メタデータとしてテキスト化することができます。
事前にDirectCloud-OCRと*帳票発行システムのAPサーバーをAPI連携することで、DirectCloud-OCRにより生成されたCSVファイルを元に、取り込み用フォーマットとして変換後、自動で帳票発行システムにインポートすることができるようになります。
※フォーマット変換機能を有する帳票発行システムのみ
つまり、ユーザーは下記のような運用を実現させることができます。
■DirectCloud-OCRの詳しい製品説明はこちら
https://directcloud.jp/ai_ocr
まとめ |「DirectCloud-OCR」で業務効率を向上させよう
いかがでしたでしょうか。
日頃の業務で大量の申込書や申請書を受け取っており、帳票発行システム用のフォーマット作成に工数を割いている状況であれば、AI-OCRツールの導入を検討してみることをおすすめします。
DirectCloud-OCR 込みでDirectCloudを活用することで、コストをかけずに自動化することが可能となりますので、ぜひご検討ください。
より詳しいサービスの内容は、以下の資料よりご覧いただけますので、合わせてご活用ください。